この記事は以下に当てはまる人にオススメです。
- 気前が良い人間になるべきだと思う
- 気前が良い方が対人関係で得すると思う
- ケチなのは悪いことだと思う
- 気前が良い男でいたい
- 気前が良い上司でいたい
- 合理的に賢く生きたい
- なるべく自分は損をしたくない
- 黒い心理学を知りたい
- ズル賢くなって得したい
本記事の内容
- 気前が良い君主は身を滅ぼす
- 気前が良いと損な役に回ってしまう
- 気前が良い人はサンクコストの呪縛にハマる
- 「助ける」よりも「助けてもらう」方が好かれる
今回は気前が良い人よりもケチな人が得する理由について話します。
一般的には職場の人間関係においても恋愛関係においても
気前の良い人が理想とされ、ケチな人は嫌われるという認識があります。
確かにそんな気がしますよね。
しかし現実的に見ると実はケチな人の方が得と言えるのです。
むしろ気前の良い人は損をしてしまいます。
なぜそのようなことが言えるのでしょうか。
本記事ではマキャベリの『君主論』の教えと心理学の観点から解説していきます。
気前が良い君主は身を滅ぼす
イタリアのルネサンス期から500年も続くベストセラーに『君主論』があります。
この本には優秀な君主でいるための戦略論が書かれており、西洋の『孫子の兵法』とも呼ばれています。
著者はマキャベリという人物です。
目的のためには手段を選ばず、自分(自国)の利益のために誰かを犠牲にすることを厭わないという内容ですが
こうした性格の人物を「マキャベリスト」と呼ぶぐらい現代では有名なのです。
この『君主論』の教えの一つに「ケチであれ」があります。
内容をいくつか抜粋すると以下の通り。
我々は今の世で、ケチと言われた者以外で偉業を成し遂げた者を知らない。他の者は滅びてしまった。
気前の良さ程早急に消耗するものはないのである。というのも、あなたがそれを使うと、あなたはそれを使う力を失っていき、貧しくなり軽蔑され、貧しさを避けようとして強欲になり憎まれるからである。
気前が良いという評判を求めることによって、憎しみに満ちた非難を生み出す強欲という名前を招くよりは、憎しみのない非難をもたらすケチという名前を招く方が、より賢明なのである。
マキャベリが言いたいことを解説すると、
君主が臣下に気前良くご褒美をあげると君主自身の財産を切り崩すことになります。
気前を良くしようとして財産を消耗させていくにつれて次第に自分が貧乏になり、
貧乏な自分の評判を気にするようになってしまいます(貧乏な君主は軽蔑されるので)。
そこで、失った財産を補填するために民衆に重税を課すといった強欲さが出てきて身を滅ぼすのです。
なので気前が良いという評判を求めるよりはケチだと思われた方がマシだよね、ということ。
この失敗にハマってしまった日本の戦国武将がいます。
それは豊臣秀吉です。
秀吉は日本の天下統一を成し遂げた後に朝鮮出兵で大失敗をし、その後は失墜していくことになりました。
秀吉が朝鮮出兵をした理由には様々な学説がありますがそのうちの一つには
「部下に与える褒美の土地がなくなったから」
という理由があります。
天下統一したは良いものの、部下の数も膨大になり、褒美の土地も限界が来てしまいました。
そこで再びたくさんの褒美を与えるためにも朝鮮出兵をせざるを得なかったという学説です。
つまり、気前の良さを維持するために強欲さが出てきてしまったことで悲劇を招いてしまったと。
なんだか愛人に貢いで貢いで借金地獄に陥る男や
ホストに貢いで貢いで風俗嬢になった女を連想させてしまいますね。。。
気前が良いと損な役に回ってしまう
前述では国家規模の話をしていて自分には関係ないという感じる方もいるかもしれません。
しかしこれは現代の我々にも同じことが言えます。
例えば、部下や彼女にご飯を奢る習慣のある人は気前の良い人と言えます。
しかし人に奢ってばかりなのは実は損です。
会うたびに奢っていては相手も奢ってもらって当たり前の心理になってしまいますし
そんな相手に奮発して高級なごちそうをしてもありがたみは薄くなるもの。
だからといって相手をもっと喜ばせようとさらに奢り続けると自分の手元からお金がなくなっていきます。
ある日に「今日は奢らない」と言えば相手は内心では「嫌だなあ。ケチになったな。」と感じます。
こうなるとお互いハッピーにはなりませんよね。
だったら普段はケチで奢るのが珍しい状態にすればこちらはコスパが良くなりますし、
相手もありがたみを感じて喜ぶのでwin-winです。
同じような理屈で、職場で優しい人も損します。
なぜなら普段から優しい人が優しくしても大して感謝されないから。
優しいのが当たり前なので優しくしたところで相手の予想通りでしかないんですよね。
しかもある日ちょっと優しくないことがあっただけで相手に嫌な印象を与えます。
逆に優しくない人が少しでも優しいことをするとかなり感謝されるので
優しい人は損な役になってしまうのです。
だからといって「意地悪になれ」とは言いません。
気前の良い人や優しい人という見られ方をするよりもドライな印象を与えた方が得です。
いい人でいようと頑張るほど損をするので少しぐらいは悪人でいる勇気を持ちましょう。
気前が良い人はサンクコストの呪縛にハマる
気前が良い人は「サンクコストの呪縛」に囚われます。
これは自分が時間・お金・労力をかけたものに対して価値を感じて執着しやすいという心理です。
当ブログでも何度か「サンクコストの呪縛(サンクコストバイアス)」について解説していますが、
分かりやすい例を挙げるとすれば
- パチンコや競馬にお金をかければかけるほど失った分を回収しようと躍起になってしまう
- 愛人に貢げば貢ぐほど愛人に執着してしまう
- 彼女にするまでに時間と手間がかかった女ほど大切にする
といったところでしょうか。
気前が良い人は誰かに奢ったりプレゼントをする機会が多いのでまさにサンクコスト漬けの状態です。
そうなると悪い人間関係を断捨離できなかったり、未練に引きずられて適切な判断ができなかったりします。
男は失恋すると引きずり、女は失恋してもすぐに吹っ切れる傾向にありますが
これもサンクコストの呪縛で説明がつきます。
世の中には男がデートでお金を多めに出したりプレゼントを買ってあげるべきだと風潮があるので
そうやってお金を費やしてきた分だけ男は失恋による心理的なダメージが大きいのです。
逆にヒモ男の場合、女は別れるのが怖くて必死で男の心を繋ぎとめようと貢ぎ続けます。
「助ける」よりも「助けてもらう」方が好かれる
気前が良い人が損をする最後の理由は「助ける」側になるからです。
メンタリストDaiGoさん曰く、「助ける」よりも「助けてもらう」方が好かれるとのこと。
ハートフォードシャー大学のリチャード・ワイズマン氏の研究を元に紹介させてもらいます。
人間が好きになるのは、助けてくれている人ではなく「助けてあげている人」だということが様々な研究によりわかっています。
つまり、皆さんが誰か好かれたい人がいたとして、ほとんどの人はその人に良くしようとか助けようとしますし、それも大事なことではありますが、実際には、その人に皆さんが助けてもらった方がいいということになります。
人間が好きになる相手は助けている相手ということです。
ですから、たくさん助けてもらえればもらえるほど、なぜか人間は好かれていきます。
引用元:【損するいい人】から卒業する方法
要するに、あなたがもしもAさんに好かれたいのなら
あなたがAさんを助けるよりも、Aさんがあなたを助ける方が効果的だということです。
あなたが気前の良い人だとAさんを助ける側になってしまいがちなので
逆にこちらがAさんに助けを求めた方が、 Aさんはあなたを好きになります。
先ほどのサンクコストの例でも同じことが言えます。
「奢る」=「助ける」
と考えると奢る側が相手に対して好意を持ちますし、
「貢ぐ」=「助ける」
と考えると貢ぐ側が相手に対して好意を持ちます。
以上の理由により、気前が良いのは思ったほど相手に好意を持ってもらえないことが分かります。
まとめ
- 気前が良い君主は身を滅ぼす
- 気前が良いと損な役に回ってしまう
- 気前が良い人はサンクコストの呪縛にハマる
- 「助ける」よりも「助けてもらう」方が好かれる
今回は気前が良い人よりもケチな人が得する理由について話しました。
気前が良いのは相手に良い印象を与えるどころかむしろ損する立場になりやすいですし
心理学的にも余計な執着を生んでしまう原因にもなるので
安易に気前よくお金を出すのは得策とは言えません。
ケチとまでは行かなくてもドライになった方が賢く生きられるんじゃないでしょうか。
ちなみにヒモ男やクズ男に女が夢中になるのは彼らが貢がせ上手だからです。
こうした男は「ダークトライアド」という悪の人格を持っていてとにかくモテます。
前述のマキャベリストの話も出てくるので興味のある方は以下の記事をご覧ください。
こちらの記事を読めば以前より格段にモテるようになるのは間違いないでしょう(悪用厳禁)。
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